小連載
5
「ネウロー、依頼届いたよ」
「謎の気配は」
「あることにはあるみたい。手がかりを残さないペット泥棒だってさ」
原作通りに早乙女事務所を乗っ取り、そこの机に脚を組んで座り込む青スーツの男にぺいっと依頼書を渡す。
内容は言ったとおりだが、今回の依頼はヤコの中では別の事件へとつながるだろうと予測を立てる。
「マスコミ避けに完全依頼制にしたはいいが、やはり失敗だったか?」
「大丈夫だよ。ホームページと『リンクス』での振れ込みで充分。謎を持っている依頼者とそうじゃない雑魚を振り分ける、ネウロだって最初に同意したじゃん」
勝手に噂は流れるし、マスコミも勝手に記事を書いてくれる。
わざわざ触れ込みなどしなくても魔人の頭脳という企画外な力を持った探偵事務所。謎が集まるのは必然だ。
謎がない依頼など雑魚だと言ってしまったが、実際はそれでも大事な依頼なのだろうからと電話相談程度ならやっている。
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