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小連載
ちょっとした昔話


「先生、何をみているんですか?」


報告書を提出した部下が戻ってくるのを待っていた男は、部下の言葉に顔を上げた。



「アラシ、お迎えは良いのか」



男の名前はオチバ。上忍師である。

上忍一人下忍三人のフォーマンセルのチームを組んで早半年。

最近後任を育てる楽しさに目覚め始めていたりする、割と普通の男だ。



「今日のアカデミーは課外授業ですから、お迎えはいらないんですよ。」

「ああ、そういえばそんな時期だったか」



この部下の一人である雨笠アラシはチームの紅一点。

両親ともに忍者であり、忙しい彼らに代わって家事や弟の世話を手掛ける今時関心な少女だ。

かといってそれらの愚痴も言わずに真面目に任務にあたり、男所帯にいながら女だからと甘えを見せる事もない彼女は傍にいて気持ちが良い。

弟を親代わりに育てた経験だろうか。同い年のはずの男2人をサポートしつつもしっかり手綱を握っている節があるのは気のせいでは無かった。



「・・・・・・懐かしい。お前に最初会ったのも課外授業の時だったな」



雨上がりの空を見上げながら、オチバは言った。


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あきゅろす。
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