二度あることは三度ある
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赤紅黄色金色、紅葉や銀杏の葉が秋空を舞う。
碁盤の目のようにきっちりした90度の曲がり角をあっちへこっちへ進めば見えてくる賑やかな人垣と朱塗りのお神輿。
ぴいひゃら、どんどん。
ぴーひゃらひゃら、どどん。
(御祭りみたいなカンジだな)
腕につけたダウジングマシンを横目に見ながら、瑠璃はふらふらと祭りの見物に興じていた。
つい先ほどまでは風来坊が観光案内を買って出ていてくれたのだが例のごとくお互いはぐれてしまっていたりする。
とはいえ慌てて探さずとも鳥に聞けばすぐに見当は付くのでそちらは放置だ。
「おねーさん、その草餅二つ頂戴」
「はーい」
表面を焼いた草餅をかじり、きょうろきょろと周りを見渡す。
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