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二度あることは三度ある



「そいつ、テンテンっていうのかい?」

「ええ。かわいいでしょ」



かわいいのは名前なのかそれとも瑠璃の膝に擦り寄って気分良さそうにお昼寝に入る黄色い生き物なのか。

前田はふーんという顔をする。

逆に彼の肩に登る小さな小猿をじっと見る瑠璃に気がついてはいと見せた。



「こっちは夢吉。大事な友達さ」

「賢そうな顔をしてますね」



ジューサーを片付けつつ、瑠璃は言う。



言葉の端々から判断するに、彼はこの近くの山でテンテンを見つけて一緒に旅していたらしい。




「他に不思議な生き物は見ませんでしたか?金色の目の青い虎とか」

「うーん、ごめんね見てない」




そりゃ見ていたらすぐに話をしますよねぇ。

瑠璃は膝に懐くモモンガを撫でながらさてこれからどうするか、と空を見上げる。

これ以上北上していてもあまり収穫は無いような気がするし、ぶっちゃけ寒い場所に行きたくない。




(まずは春日山城に行かなきゃなぁ・・・・・・案外早く再会できてしまったし)




「瑠璃さん、だったけ?これからどこかに行く予定はあるのかい」

「ええ。とりあえず別の場所に置いて来た他の子を迎えに行かなきゃとは決めてますが、特に方向は」

「じゃあ俺と一緒に京の町へ行かないかい?旅は道連れっていうだろ」

「京都・・・先の戦で丸焼けになったと聞いてますが?」

「祭りがあるんだよ。見に行かない?」

「収穫祭の時期は終ったのでは」

「町衆の連中が復興を記念して田楽と能を披露するんだ。お神輿だって担ぐさ」




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京都では先の戦=応仁の乱のことらしい



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