二度あることは三度ある
6
ジャコジャコジャコ。
ジャカジャカジャカ。
ぽいぽいと木の実をシェイカーに放り込み、蓋を閉めて両手で押さえ、降って振って振りまくる。
何をしているのかといえば、拗ねているテンテンを宥める為の特性ドリンク作成だ。
「・・・・・・ん?」
後ろに気配を感じ、ふり向いたそこにいたのは一頭の馬。
手綱が付いていないので野生なのかと思ったがその馬は背中に鞍を背負っていた。
「・・・・・・どっからきたんだお前」
「ブルルッ」
「知恵が働きそうな顔をしてるな。迷子の主人でも探している途中か?」
「おーい松風ー!見つかったかー!?」
「あ?」
一瞬馬が返事したのかと思ったが同じ方向から聞こえてきただけだった。
馬の背後を見れば、声の主が駆けて来る様子が窺える。
すごく目立つ黄色い上着に長いポニーテールと頭飾り。
馬鹿でかい刀を軽々と抱えてやってきた男を見て、瑠璃は呟いた。
「・・・前田の風来坊」
「ん?」
探し人発見、である。
ならばと瑠璃は手に持った二枚のお面を風来坊・・・前田慶次に見せて声をかけた。
「これ、お兄さんのですか?」
「ああそうだよ探してたんだ!ありがとうお嬢ちゃん!」
(お面は彼の防具でした)
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