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二度あることは三度ある



連絡用に手持ちの体調チェックアプリを起動させっぱなしにしながら町中を歩き回る。

あちこちから夕食の支度をする香りがただよいああ良い一日だった・・・・・・、そんな空気。



どこにいるのさテンテン。

黄色いモモンガを探しつつそんな空気を心地よく感じつつ、瑠璃は足元に落ちている「何か」を拾った。





「・・・お面?」





山の中には不似合いな天狗の面が落ちていた。

牛若丸とか鞍馬山とかじゃあるまいし、天狗の面が山の獣道に落ちている光景はいろいろ不気味だ。

そしてBASARAで天狗の面ってどっかで聞いたことがあるような、と考えそこで止めた瑠璃。

拾ったはいいがけっこう良さ気な高そうな面だ。

ちらと横を見ると、同じようなのがまたもうひとつ。

狐の白い面……



……が、宙に浮かんでいる。



どうしよう見なかったことにしようか。









「うーんと、どうしよっかこれ何の幻覚?このあとはやっぱ宙に浮いたお面の口が開いてひひひとかって笑いだすのかな?」



『んなわけあるかあああぁぁボケぇ!』



「おひさしぶりテンテン」




『この遅刻魔!遅ぇよアホ!なんでわざわざこの俺が他人にくっついてお前探しの旅をしなきゃならなかったんだよーこの大ボケボケナスうううううぅぅぅ!』



「考えてみたらテンテンってこの世界に肌が合っている気がする、主に大声とか」








言葉を発すると同時、狐の面の影から何か黒いものが瑠璃に罵声を上げながら突進してくる。

可愛らしい容姿に相反して乱暴な言葉を使い、静電気をまとった体当たりをかましてくれたのはエモンガのオスである。



そんな横では電気技を喰らったらしい二つのお面は地面に落下。

すごい、岩に当たったのに割れない。

あさっての方向を見ながら瑠璃はテンテンと名前を付けたエモンガの背中を撫でてやり落ち着かせる。

どうした腹が減ったか。





『もうやだなんなのここの人間!突風起こすしクマ吹っ飛ばすし!炎の渦みたいなの腕から出すし!』


「うんうん私も思ってた。ここはねポケモンの世界じゃないらしいよー」


『意味がわからん説明いいいぃぃんでもって腹減ったああああ』







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