二度あることは三度ある
6
持成しは全力で
簡易な橋を掛けていた途中で流されてしまった手伝いの子供の名前はゆずきといったらしい。
質素な食事をもらえた。
焚き火と温かいスープが嬉しいです。
「本当にありがとうごぜぇました」
「いえ、当然の事をしただけです」
実際レンジャーの仕事は環境調査と人命救助が主だし。
助けたのは条件反射に近いものだった瑠璃は、子供を届けた瞬間子供の親に膝突いて頭を下げられたのには驚いた。
こっちは突っ立てる上に橋の上で皆見てるよ!?
けど、これはこの世界での最敬礼。
これをされているということは心から感謝されているということだ。
素直に嬉しかったから慌てずに丁寧に返事した。
お宅に邪魔させてもらって食事までもらえたのだからこりたこそお世話になったのだ。
「大したもてなしもできねぇけんど、どうかゆっくりしていってくだせぇ」
「いえ、長居させて貰うつもりは・・・・・・」
まだ昼にもなっていないので、さっさと進みたいのだ。
そもそも粟が混じっているとはいえ米を使った雑炊など高級品なのではないだろうか。
だから礼など道を尋ねる程度で充分なのだが、そうはいかないらしい。
意を決した瑠璃は、
「では、お言葉に甘えさせて頂きます」
芋の入った雑炊に手を合わせ、ずぞーっと頂いた。
めちゃくちゃ美味しかった。
(ここの野菜は村の自慢らしい。)
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