二度あることは三度ある
19
一年に四回春がやってくるというとんでもない世界に住んでいたせいか瑠璃にとって季節に対する判断基準はおかしなものとなっていた。
おかしなもの、と言い切るにはそこまでの異常さは無いが、年頃の少女としてはそれってどうなのよと呟かれるものである。
とりあえず、薄着で外に出れるか否か。
「考えてみたら、今って秋なんですよねー・・・しかも現在地は東北の日本海側・・・」
そんなときに冷たい水の中に飛び込んだりしたら充分風邪を引くじゃないか。
瑠璃は金髪忍者が落っこちた水面あたりをぼやっと見ながらそんな事を考えていた。
まあ、そうはいっても着物の下に瑠璃が着用しているレンジャー服というものは雪山に半袖スパッツで登っても大丈夫という素晴らしいを通り越して恐ろしい素材とキャッチコピーを所持しているので自分の心配はしない。
心配なのは、たった今水の中にバッシャーンと入っていった女性の方だ。
相手は芸達者な忍者なので泳げないということはあるのかわからんが、あのレオタードのような衣装でずぶ濡れはひどいことになる。
女の子が身体冷やすもんじゃない。
ついでにこのせいで風邪引かれたらいろいろと悲しくなる。
「ツユ、助けてやって」
『むー・・・・・・』
「あとでボール割ったことは謝ってもらうから」
『・・・・・・、はーい』
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