二度あることは三度ある
18
「ほら、これに覚えあります?」
「・・・・・・、なんだこれは?」
「覚えて無いんですか。なら付いてこないでください」
瑠璃は金髪忍者にはい、と何を思ったのか無残にも砕けたモンスターボールの一部を見せてみた。
その理由を挙げるならもし覚えがあるんなら手伝ってくれないかなー、とか思ったからなのである。
だが、相手にまったく意識が無いようなので瑠璃はそれらを早々に諦めた。
そして金髪忍者の隙を上手に突いて、そばにあった崖みたいになってる岩の上へと飛び乗り勢いをつけて、
「そーれバッシャーン」
「なあーーーッ!?」
水の中へと身を躍らせた。
驚いた金髪忍者、かすがは油断していた自分に怒りを覚えるべきなのかどうか考えるのをやめてとりあえず慌てて身投げしやがった少女を追った。
そして、気が付く。
あれ、さっき水音してないよな。
「――ッッッ!?」
バッシャーン、と。
水音。
それは瑠璃が立てたものではなく、彼女を追ってうっかり飛び込んだかすがというくノ一が立てたものであった。
「・・・・・・、すっごい簡単に引っ掛かってくれたなぁ。」
それの一部始終を見ていた瑠璃が呟いた。
とりあえず作業をしている所を見られるのは面倒なことになりそうなのでご退場願うために水のほうへと意識を持っていかせて貰うためわざわざ飛び込む振りしてみたのだが。
誘導だと気にかけずに飛び込んできた彼女に少しばかり残念な印象を抱いた。
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