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二度あることは三度ある




「そこのうつくしいあおいろのけなみのうまは、りびというのですね?」

「・・・はい。」




何を聞いているんだと、瑠璃はまた目をパチパチさせる。




「そのうまも、あなたのかぞくなのですね?」

「・・・はい」

「かぞくをきずつけられるとなれば、それをとめたいとおもうのはとうぜんのことです。わたくしとて、ここにいるへいたちがきずつくのはとてもかなしい。わかりました。りゅうをきずつけるのはやめにしましょう」

「ぇ・・・・・・」

「あなたはつるぎをたすけてくれました。そのあなたのねがいを、はねかえすことはしません。ですが・・・・・・」

「でも、なんでしょう?」




「わたしたちはすでにあばれりゅうをたおすためにとうばつたいをへんせいしてしまい、いまはもうひけません。ここでひいては、あばれりゅうにくるしめられるたみをみすてたことになってしまいます」

「・・・・・・」

「わたしたちのもくてきはあのりゅうのとうばつ。しかしそれをだいこうすることができるものがいるのならば、そちらにまかせてわたしたちはてをだしません」

「つまり、私にあの龍を追い出せと?」




つまり、彼らが退避するには、≪手柄を横取りされた≫という建前が必要なわけだ。









「ならば、私があの龍を別のあるべき場所へ還らせましょう。」

『・・・・・・』

「私があの龍を退治して見せましょう」






にっこりと微笑む白い鎧の武将に瑠璃は頭を下げてから、岩の方へと向いた。









「必ず面白い芸を御覧に入れますよ。観客席に座っていてくださいな」








龍退治をやってやろう。

高みの見物をしているが良い。










「そろそろあの子が目を覚まして出てくる。――久方ぶりのバトルだ。葵尾、準備はいいか?」

『いつでも』






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あきゅろす。
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