二度あることは三度ある
16
得た情報
「・・・越後に、」
「越後に二匹の竜ですね。」
「・・・・・・」
もういいやと自棄になりつつボールから葵尾を出し、それに飛び上がる風魔を横目で見ながら跨った瑠璃。
友紀は風魔の腕からするりと抜け出し、瑠璃の肩に乗っかる。
友紀は彼に声を与えたのか。
彼がそれに対してどんな思いを抱えるのかは知らないが、瑠璃にとっては友紀の能力のすごさに驚く感情がずっと強かった。
≪こたろーさんの喉は、何か淀んだ力で震えさせることができなくなってす≫
「つまりは、風魔の風の婆沙羅によるものか。」
「・・・、」
≪こたろーさんの声を聞いてみたかったんです、聞けて良かったです、心を読むよりずっと気持ちがいいですもん!≫
ちりん、とどこかで鈴の音が鳴った。
(・・・・・・、鈴の音?)
瑠璃はふと耳に付いた感覚に眉を寄せるが、葵尾に準備が出来たので、その首をトントン叩いて進む合図をした。
「あなたの声を聞けて嬉しかったです、それじゃあまたどこかで!」
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!