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二度あることは三度ある
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感情移入は不必要









瑠璃にとって優先すべきは家族であるポケモン達の安否であり、世界がどうのと言った事柄は二の次であった。

極端に言うと、たとえそれが原因で今居る世界が崩壊しようとポケモン達が無事で元と同じ場所へ帰れればよいのだ。

帰ることが出来ないにしたって、危険があろうと元に戻るのが一番の最優先事項なのだ。



だから瑠璃は、相手が殿様であろうと凄腕の殺人者であろうと堂々と対等の会話が出来る。

恐怖など無いのだ。

目的のためなら何も厭わない性質は、ある意味そういった相手と相対した時役に立った。

それが今まさにこれだ。






「もし効果を確認してからにしたいなら、一種類につき二つずつ預けても構いませんよ」

「・・・・・・」



二人と一匹の間に考えるような間が流れた。



瑠璃にとって、風魔の答えはどちらでも良い。

彼が拒否するなら、何も言わずに友紀が頭を覗く。

承諾なら穏便に済む。



友紀に無理をさせるような真似はしたくないが、もともと強いエスパーの力を持つエーフィに心を読むなと言うほうが難しい。

正直、友紀が『読みたい』と思えば瞬時に叶う。

風魔を自分の意に沿わない敵と友紀が認定していない今だからこそ実力行使に出ないだけだ。

そして友紀は大切な兄のためなら主に怒られるのも気にせず力を使う。

その結果発熱したりとパンクしてしまうのだから世話無いが、そんな友紀を瑠璃は理解していた。

瑠璃には、その流れで友紀が『やってしまった』のなら『仕方の無いことだ』と片付けてしまえる非情な部分もあった。

結局、仕方ないなぁ、と理由付けてしまうことが出来る瑠璃はどちらにせよ情報を手に入れることが出来るのだ。







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