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二度あることは三度ある
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情報提供






「こんな木の実です。モモンの実。味は桃みたいに甘いです」

「・・・・・・」

「あ、これ毒に効くんだっけ」

「・・・・・・?」

「モモンには食べると毒全般を中和する効果があります。それに甘いから摂取しやすいですね」



モモンのヘタを取ってやり、友紀の口に放り込む。

ポフィンと同じ甘い香りがふんわりと漂う。

風魔は毒を中和するということに興味を持ったらしいので、瑠璃はいろいろレクチャーしてみる。

考えてみると、ポケモンの世界の木の実は美味しいのに薬になると素晴らしい木の実だ。

良薬口に苦しをひっくりかえしてるもの。




「こっちは麻痺、こっちは混乱・・・精神系?幻覚とかからの開放・・・正気に戻す力があります。それとこっちは火傷に効力があります。」

「・・・・・・」

「あ、怪我した後に摂らないと効果はありません。それとこっちはこういったものから作った薬です。毒消し、火傷治し、麻痺治し・・・・・・こっちは人間にも利くっけ」

「・・・・・・」



木の実をひとつ手に乗せ、しげしげと観察する風魔。

好奇心猫を殺すとは言うが薬の類には興味が湧くらしい。

眺めていると、ふいにこれらの木の実は増やすことが出来るのかと聞いてきた。

・・・こういうのって、この世界で言うおにぎりとかみたいな曖昧なものだから分からん。




「繁殖、ですか。難しいですね。よく伸びるし短期間で実もつけるけど、土が合わなかったら芽も出ないし・・・・・・こっちで出来るのかな・・・気候も違うし」

「・・・・・・?」

「あ、いやこっちの話で・・・・・・繁殖ですが、多分簡単にいくと思います。」

「・・・・・・」

「へ?値段?」



この風の悪魔、木の実を売れといっているらしい。

瑠璃は「えー・・・」と自分が面倒なことを言ってしまったと後悔した。

・・・異世界に植物持ち込むのってアウトだろうか。

けど売らないとか言ったら実力行使で奪われそう。



・・・このせいで空間が歪んで空間の神様に怒られたらどうしよう。

しかし、と瑠璃は考える。

・・・けどこっちの世界に飛ばされたのもあいつらのせいなんだよなあ。

・・・反抗の意思表示で置いてってやろうか。

本気で世界が拒否するなら、木の実も育たず枯れるだろうし。



(・・・元々私がこうしてこっちに来た時点で歪みはあるし、万が一これが崩壊に繋がるならそもそも規制がかかるはず。見たところ警告は無いし、別にいっか・・・?・・・・・・あ)





――あ。



いいこと、思いついた。

瑠璃は心の中でにやりと笑った。



「値段ですか・・・高いですよ?」

『瑠璃さん?』

「・・・・・・」



「この木の実30個と、風魔氏の持っている情報を、交換してください。肥料もつけますよ」






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