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二度あることは三度ある
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心に響いて









≪こたろーさん、こたろーさん?・・・聞こえないのかなぁ≫

「・・・・・・」

「・・・・・・」

≪・・・・・・≫



『瑠璃さん』

「ん?」

『聞こえてないんでしょうか』

「・・・・・・さあ?」




無視されてんじゃないの、とは言わない。

エスパー相手にそれはあまり効果はないと知ってはいるが聴こえていないことを願う。

絶対泣くもん。この子。

それこそ頭の芯を揺らす勢いで。



≪ねーねーこたろーさーん≫

「・・・・・・」

≪こたろーさーんへんじしてくださーい≫

「・・・・・・」



(・・・・・・)



そんな願いが届いたのか、友紀は向こうに意識を向けていたためこちらの声を聴いていなかった。

一通りちょっかいをかけた後、友紀は諦めたのか瑠璃の膝に乗っかる。



『瑠璃さん、瑠璃さん、ブラッシングしてください』

「・・・マイペースだね友紀」

『はやくー』

「あーはいはい」



バックのポケットに入れておいたブラシと油を手に取って手入れをしてやれば、とろりとした表情であくびをする友紀。

膝の上がぬくくて眠い。

エーフィの毛並みはビロードのようだというけどまったく持ってその通り。

きめ細かくてつやっつや。

そのせいで乱獲の対象になっていた歴史もあるが、それを阻止するために自分のようなレンジャーがいるわけだ。

さっさと元の世界に戻ってレンジャー活動を始めたい。



驚いた。

自分って結構なワークホリックだったらしい。

もしくはバトルジャンキーか。



(・・・・・・?)



ふと目線を上げると、赤い髪が目に入った。



(え、何。)



近い。

目の前にある赤い髪、それの大半を隠す黒い兜に焦点を合わせるのに微妙な時間がかかった。



「・・・・・・」

「・・・・・・」

『うにゅ?』

「・・・・・・やります?」

「・・・・・・」

『みゅー?』



なにか、は風魔がガン見してくる視線だった。

正確には友紀の背中を撫でる手とブラシ、か。



油を塗ったブラシを渡してみる。

するとためらった後に風魔はそれを握った。

それに気が付いた友紀はよいしょと向こうの膝に移って居心地のいい場所を探し、くるんと丸まる。

その背に恐る恐るといったぐあいでブラシを滑らす風魔。



・・・あんた絶対動物好きだろ。

実は忍犬とか忍鳥とかそれ以外でもいっぱい育ててたりするのか。




(・・・あれ?この時代って馬とかのハケはあったけどブラシって存在してたっけ?)



ていうか動物の毛並みを梳かすっていう概念あったっけ?



首をかしげながらそんな光景を見ていた瑠璃だが、ほわーんとした空気に尖ったものが無いようなので考えることを放棄した。



(・・・・・・まあいっか。)






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あきゅろす。
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