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二度あることは三度ある
15

安堵








「良かった葵尾・・・・・・!」

『ご心配おかけしました、瑠璃さん』

「良かった・・・ホントに良かった・・・!怪我は無い?体調は?」






心の癒しでもある葵尾のご帰還に瑠璃は半泣きながらに迎え入れる。

怖かったんだろう、やっと落ち着いたと思ったらこちらの心配までする愛しい家族に抱きついて撫で回す。



ちょっとばかし賑やかな晩御飯にしようと思っていたが追加だ。

彼女には一番好きなウブの実とモモンの実のブレンドポフィンをたくさんあげよう。



「怖かっただろう、何も知らないところで知らない人ばかりで。葵尾、無事でよかった。よく頑張ってくれた」



聞くと、最初を除いてあの屋敷の人たちは別段彼女に危害を加えることはなかったらしい。

最初というのはどこかの荒野で瑠璃を探し回っているとき鉢合わせ、追い払われたかと思えば捕らえられたと。

ということは、上の人間が手出し無用と言ったのか。



それはもういい。

何より大切なのは葵尾だ。



瑠璃は丁寧に丁寧にその身体を拭いてやりながら思う。

彼女・・・葵尾は、色違いだ。

野生の群れの中で大切にされていたが、ハンターに追われたことは数知れない。

実際瑠璃が目を放した隙に攫われた事だってある。



きっと捕らわれるとき、恐ろしかっただろう。




「ごめんね。怖い思いをさせてしまった」




しかし抵抗するために炎をあたり一面に撒いても良かったというのに、瑠璃が迎えに来てくれると信じていたのだと。

信じて待っていたら、ちゃんと主人はやってきてくれたと言うのだ。




『必ず来てくれると信じていました、瑠璃さん』




なんて嬉しい、愛しいことを言ってくれるのだろう。

感謝の言葉の代わりに、瑠璃はその銀色に輝く体を抱きしめた。








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