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二度あることは三度ある


見当は付いたものの








『おいこら瑠璃!腹減った!』

「げっ忘れてたごめんね焔尾でも葵尾の情報があったもんで突っ走っちゃったんだ急がなきゃ」

『本当か!?葵尾が見つかったのか!』



やっと到着した上田の城下町。

馬を帰し、その路地裏にてひそひそと会話する瑠璃。

人の目なんぞ気にしてられん。



「葵尾に持たせておいたこだわりスカーフの反応させた人間が、ここに来たんだよ。」

『!じゃあすぐに』

「すぐに、はちょっと難しい。場所が・・・・・・」



ほら、とポケッチの画面をボールに入った焔尾に見せる。

ダウジングマシンの反応は、真っ直ぐ城に向いていた。



「お殿様のところ、らしいんだ。」











いい加減人の目が気になったので、瑠璃はこっそりと休憩場所の水飲み場から離れる。

腰を落ち着け、先ほど買った餅の包みを開け、火を起こす。

人目がないことを確認してから、ボールからポケモンを出してフーズと餅をそれぞれ分けてやる。



焼いてもいいが、瑠璃は煮た餅のほうが好きだ。

という訳で、飯盒にモーモーミルクと餅を投入して火にかける。



やっぱりお腹が空いていたポケモン達はあっという間に食事を終え、自分からボールに戻っていった。

棗なぞはすやすやと睡眠を取ってる。

食べてすぐに寝るとなんとやら、である。



しかし今のうちにそうしてもらっておいた方が良いのかもしれない。

今日中にどうにかして葵尾のもと、あの城に接触しなくてはいけないのだ。



(・・・・・・。)



小豆の入った甘い餅とミルクの香りがとろりと尖った神経を溶かすのが感じられた。

飯盒をかき混ぜつつ、思考する。



「うあー・・・身体がちがちだ・・・・・・」



これでも緊張していたらしい。

緩んだ筋肉に苦笑する。



(あーあ。葵尾ー。多分居るんだよねあっこに。)



はてさて、どうしたものか。

依然動かない画面の点にふうとため息。






(青色の炎の馬なんてのを見たあの忍は、妖怪だと言って殺そうとしたんだろうか?)

(葵尾が死んでいないのは割れていないボールが証明してるけど、まさか足の腱を斬られたりしていたら・・・・・・ああやめようこんな事考えても仕方ない)





手がかりを掴んだものの、静かになると、人はネガティブになるらしかった。







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