二度あることは三度ある
3
落し物
「では、ご縁があればまたどこかで」
「助かったよありがとねー」
(うわあああなんで団子屋に入ったらいきなり出会うんだよ今お八つ時だっけ!?・・・いや違う、今正午!)
にっこりと笑顔で去っていった男の背中を見送った瑠璃は痛む頭を労わる様に押さえた。
団子屋に入ったからって遭遇するなんて、誰が思う。
三年前以上の記憶がいきなりくっきりと浮かび上がったよ思い出したくなかった!
(でも名乗らなかったし、うん。)
こちらは確かに向こうを知ってはいたが、向こうからすれば始めてであった人間だ。
きっと向こうにはそこらへんのその他大勢にしか見えてなかったはず。
そう思いたいと切り替えた瑠璃はもう一度落し物を探しにかかった。
が、腕にはめたポケッチの液晶を覗き、瑠璃は瞠目した。
(ダウジングマシンの反応が、消えてる・・・・・・だと)
(まてまて、ついさっきまですぐ近くに強い反応があったはずなのに・・・)
道具に足が映えて動き回るはずが無い。
電波状況がいきなり悪くなったのだろうか。
いや、ダウジングマシンは磁場を読み取って物を探すツールだ。
携帯電話のように電波など関係が無い。
そして、ポケモンがこんな街中を移動していたら騒ぎになっているはずだ。
(・・・移動、させられた?)
つまりは。
瑠璃以外の誰かが瑠璃より先に「道具」を拾い、持ち去ったということ。
(さ、最悪・・・・・・!)
振り出しに戻ったらしいことを自覚した瑠璃はふらりと道を外れてから隅っこで頭を抱えた。
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