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リコリス
004

「それで、いつ頃に出所できるか聞かされているんですか?」

「ええ。これといった取り調べもありませんでしたし、早い内に出て来られると思います」

「とりあえず一安心、といったところですかね」

「はい。ご心配おかけしました」



特にこれといった仕事もしていないが、白波はほっと息を吐いた。



「一番心配してるのは銀時君たち生徒さん方ですし、手紙を出しておきましょう」

「そう言ってくれると思いここに」

「早いなアンタ」



ぼやきながらも白波は手紙を受け取る。

宛名には塾生達全員の名前。もう一通は銀時個人へ。

とりあえず今はこの手紙を届ける事に専念しよう。

この際に休暇を取ったって良いだろうとも思うし、この数年は旅続きで自分の時間というものが無かった気もする。



そういえば一人であの村に入るのは久々かもしれない。

いつもはこの今は格子の向こうの彼に腕を引っ張られて訪れるのが常であったから、子供たちを落胆させてしまわないか少し不安だ。

そんな事を考えて、席を立つ。

なんにせよ早くあの生徒たちに先生の無事を知らせてやらなくてはならないのだから。



「では確かに預かりました。すぐに届けますよ」

「ええ。お願いしますね」


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あきゅろす。
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