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緑の光が闇と一緒に目の前を覆う。

何も見えないのがどうしようもなく怖かった。


助けて、と言おうとしたが

唇も、喉も動かない。


なにかに引っ張られて尻餅をつき、

同時にその何かが

覆いかぶさってくるような感覚がした。


恐怖と悪寒が交じり合って

いやだ、というよりも先に感じたのはそれに対する拒否だった。



『(来るな!!)』



その瞬間、

[何か]がびくっと震えた気がした。


それと同時に

燃えるように真っ赤な光が瞬く。



目を開けてそれを確かめる前に力の限界を感じ、

火の中にいるような錯覚と共に

ゆっくりと倒れこんだ。



『(・・・誰?)』



このまえの雄鹿か、それとも・・・、そう思い、振り返った。


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あきゅろす。
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