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こうして手紙つきでお金までもらってしまっては拒否のしようも無く、雹は学校が始まるまでの一週間を漏れ鍋に泊まる事となった。



つまりは、ハリーの監視とかねた休暇だ。



この所雹が根をつめて勉強に取り組んでいるのを心配したんだろう。

考えてみれば、東洋魔術の授業の準備は終わったかい、と訊ねられたし。



その辺雹は、日本人の物事をはっきり言わない性質が発動していたらどうするんだと思う。

もしかしたら実はぎりぎり間に合いそうに無いんです、かもしれないんだぞ?




(そりゃあ、生徒としての準備をし始めたってことはもう教師としての準備は終わったんだなという判断だったんだろうけど)






せっかくの教師も学業も忘れられる休暇だ。

まあ、そこそこ楽しむことにしようと思う、が。







『で、問題なんだが』

「僕がどこに泊まるか、ということだね」

『その通り』





ダンブルドアは雹に連れが居ることなど知らない。

というかそれは雹が言い出さないからだけであるが分かっているが言える訳が無いだろう。

話すとなればとんでもない時間と労力を必要とする説明タイムが必要だ。

それに雹もリドもはっきりと分かっていない。



雹とサクラは同一人物なんです、から始めると10年以上前にホグワーツに居た生徒の話からしなければいけないし、

そうなればサクラがホグワーツを中退して卒業できなかった原因まで蒸し返さなければならない。



絶対嫌だ、嫌過ぎる。



あの場所を思い出したときについてきた記憶だが、直視するのも苦しい記憶だったのだ、あれは。

ていうかそっちの意味でのサクラはずっと行方不明なわけだし、発覚すればあっちこっちから苦情の文句が届く。

ルシウス先輩に口止めさせるために忘却術やら誘導術やら使ったのは記憶に新しい。





話がそれた。

今の問題は、リドにどこで泊まってもらうかと言う話だった。




問題は宿代だ。

教科書を買いに来ただけである雹の持ち合わせは少ない。

それでもあわせれば一人分の一週間の宿代にはなるが、いかんせん帰りの電車賃が無くなっては意味が無い。

煙突飛行ネットワークを使っても良いがそれでは漏れ鍋に泊まる金をネコババすることになる。

どうしよう。





『うーん、こうなればリド君と泊まるっていう手もあるにはあるけど・・・・・・』

「君はせまいベッドで二人というのは気にならないのかい」

『冗談じゃないよ、ゆっくり眠りたい』





ていうか、まず二人が泊まるんだからダブルの部屋を取るべきだと思う。

しかしそれでも金がない。

シングルを取れば必然的に二人でひとつ分の部屋を使うわけだがそこへ雪獅子までもぐりこまれちゃせまくてしょうがない。





『せめてダブルの部屋を取るお金を取りに帰れないかな』

「宿に泊まるためだけに?あの校長も余計なことをしてくれる」

『それでも一応私の命の恩人だからね』




さて、本気でどうしよう。

考え込む黒髪二人。




「煙突飛行使うかい?」

『いいんだけど・・・ホグワーツの煙突って言ったら食堂か校長の部屋になっちゃうし。』





それに雹は煙突飛行には経験がないので、まったく別の場所に付くかもしれない不安もある。

かわりにリドに行って来て貰うのも手だが、途中で見つかったりしたらやばい。



ちなみにダイアゴン横丁へ来るまではリドには雪獅子い変身して貰ったのだ。

本物の雪獅子にはカバンに入ってもらっておいた。



どちらにせよ、却下だ。





「はぁ・・・・・・面倒なことになった」

『まったくだよ』

「ポートキーみたいなのがあれば良いのに」

『ポートキー・・・・・・』




はた、と。



(ポートキー・・・・・・移動魔法・・・ネットワーク・・・・・・)






『・・・・・・リド君、ナイス。』

「は?」

『見つからずに帰る方法、思いついた』





?マークを浮かべるリドの手を引き、雹はさっさかさと進み始めた。







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