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漏れ鍋を出た横の路地に、待ち人はいた。

まあそりゃ、今のハリーにかつてというか3ヶ月前に死闘を繰り広げた相手に再会なんてさせられないし、ということで外で待っていてもらったのだ。



『待たせてごめん、リド』と言って近寄ると、こくっと頷く。



ところで学生時代のリドルを見るとここはにっこり笑って待ってないよと言いそうだが、雹には彼にそんな対応をしてもらった覚えはここ一ヶ月にもない。

・・・そもそも、そんな対応をされたらいろんな意味で吐き気がする。

幼少時代との違い、そもそも今の雹は男子生徒でいなくてはならないのだ。

だからこそその対応は助かる。



つまりリドはサクラに対してまったく遠慮が無いわけであり、裏を返せば壁が無かったりするワケだ。

それを感覚で知っている雹は嬉しい反面、苦しかったりもする。





自分はリドの求めているサクラではないかもしれないのに、こんな風に対応されていて良いのだろうか?と。





「次、どこに行くつもり?」

『・・・ん、』




ああどこ行くんだっけ・・・じゃない、行こうと思ってたのは、





『・・・杖』

「杖?」

『リド君の杖。新しいの買いに行こう』




一瞬、リドは驚いた顔をする。

リドルの杖は、この時代のヴォルデモートが所有しているのだ。

手元に無いのは当然だ。

杖が無くても今のリドはそこそこの魔法は使えるまでに回復している。

けれどあったほうがいいのは変わらない。



そう考えた上での発言だ。




「・・・僕の?」

『そう。あったほうがいいだろ』



雹はどこに買いに行くべきか悩む。

オリバンダーのところじゃあ、リドが何者なのか分かってしまうかもしれない。

変装しててもいろいろあちこちの寸法取ってたし、その辺で分かるかも。

けど他の杖専門店なんて知らないしなぁ・・・




『もしかして、いらなかったか?』

「・・・・・・」




無言で首を振るリド。

それなら良かった、と言う雹。




『でもその顔じゃあ騒がれるかもしれないから、オリバンダー以外のところだね』

「・・・・・・分かった」






微妙に嬉しそうだ。



そもそも、7歳のリドルは杖など持っていなかったのだったけ。

ワクワクするのも仕方が無いかもしれない。



男同士だからデートと言うわけには行かないが、それなりに楽しめそうである。

雹は心の中でほくそ笑んだ。






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あきゅろす。
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