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『Mrブラックが?ホグワーツに来る?』

「うん・・・・・・どうしよう」

『どうしようったって・・・・・・ええっと校長は知って――るんだろうなあの人のことだし。』



東洋魔術の授業後、ハリーに呼び止められたかと思えばけっこう重たい相談事が開始されていた。

どうもハリーが言うにはつい先日例の額の傷が痛み、そのことをブラックへの手紙に書いてしまったらしい。

あの黒犬のことだ、大事な友人の生き写しであるハリーの身にどでかい危険が迫っていると大げさにとったのだということは容易く想像がついた。

なにせ雹は去年の思考の大半をブラック兄弟との奇妙な関わり方に割いていた。

数回とは言え濃い内容の文通の中で彼の人柄について把握できている。



『ハリー、傷跡が痛んだって事は黙っていちゃだめだぞ?今回は間接的に知れ渡ったが他の時に隠していたりしていないか?』

「う、ううん!無いよ、今年は無かった!」

『・・・今年は?去年はあったのか』



はあ、と雹は小さく溜息をつく。

手紙の内容は「すぐ北に向かって飛び立つ」という文句から始まっていたらしい。

確実に嵐が起こるぞ、と痛む頭を押さえる。



『ルーピン先生が抑えてくれればいいんだが・・・まあ無理そうだな』

「ごめんなさい」

『いや、ハリーは悪くないよ。むしろ君の傷の痛みは毎年の騒動の始まりのサインになっているふしがあるし、ぶっちゃけ知らせてくれたほうが助かる・・・まあ気にするな』



憐れみと疲れを含んだ目が痛い。

ハリーは申し訳ない気持ちだった。

しかし雹の台詞はほとんど本心である。



『とりあえず早めに返事を出さなきゃな。こっちは校長や友人たちが支えてくれているから大丈夫だとか、ハリーは充分安心できる状況にあると書いておけば大騒ぎになることも・・・・・・』

「ごめんなさいもう返事出しちゃった」

『内容は』

「傷が痛んだのは僕の思い過ごしで寝ぼけていました心配いらないです大丈夫です」

『それ思いっきり逆効果』




そんな文面じゃあ、一人でため込んで無理をしているハリーが自分を気遣ってまた無理をしていると考え、黒犬が地獄を走るグリムのごとき速度でもってこちらへ向かってくるだろう。

雹は夕食をとるのをあきらめて校長室へと向かうことにした。











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