桜 7 クリスマス。 懐かしい和風に整えた寝室で、目を覚ます。 雹は、あくびをしながら暖炉の前の肘掛け椅子に座った。 外は真っ白。 ここは毎年ホワイトクリスマスだ。 恋人も居ないのではロマンチックも何もないが。 服を着替え、大広間へ向かった。 コツコツコツ、という音。 なんか他とは比べて立派な梟がドアを突いている音だった。 寒いのを我慢して窓を開ける。 殆ど真っ黒な灰色の、良い餌を食べてそうなたくましい梟だ。 きっと金持ちの。 『・・・・・・寒い中、ご苦労様。』 雪をくっつけて入って来た梟をとりあえず箪笥の上に乗せた。 誰からだろう? クリスマスプレゼントなら、殆ど貰い終ったと思うが。 (・・・・・・) 落胆。 −−−− Dear サクラ クリスマスパーティを催す。来い from.ルシウス・マルフォイ −−−− 『・・・・・・・・・・・・・・・・・・』 宛名とほぼ変わらない文字数の文章に、落胆。 これは招待状ではない。 迷惑メールってやつだ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |