[通常モード] [URL送信]





『悪巧み中失礼』


「「「ギャッ!?」」」


『おいこら二年生三人組、おまえらそろそろ学習しろ』




秘密基地を移動させたかと思ったが、結局女子トイレで薬を作り始めた三人組にやれやれと肩をすくめる。

もう一度言うが、学習しろ。学習。



状況はこう。

女子トイレに続く突き当たり廊下を全力疾走するハリー、ロン、ハーマイオニー。

そこをちょうど曲がり角で立っていた雹が後ろからハリーの腕を引き止めました、まる。

曲がりなりにもクデッチの選手であるハリーに追いつく脚力は褒め称えてほしい。



そんなわけで目を細める雹。

三人組はあわあわあわあっぷっぷ。



「あ、ぁわわわわわ、」

「えっと、これはその、」

『その?』



「その…、ごめんなさい!」

『謝ってどうする』




ハーマイオニーの膨らんだポケット。

それを見て雹は盛大なため息をつく。


きっと二角獣(バイコーン)の角と毒ツルヘビの皮が忍ばされているのだろう。

それにしてもロン、芝居めいてるぐらいに慌てすぎな動きだな。

ハーマイオニーとハリーは大げさなぐらい真っ青だ。

雹はもう一度ため息をつく。




『…今日の魔法薬学の授業に出なくてまったく正解だった。おまえら、何考えてるんだ?』

「……………」

『勇気は無鉄砲や無謀とは違うぞ、それだけは覚えておけ』




燃え盛る民家に幼い子供を助けるべく突撃する消防士さんはかっこええが、

火の輪くぐりしますとか言い出すお祭り野郎は怪我したところであほやなぁとしか言ってもらえないのだ。

こっそりやろうね。



反省はしてもらわなくては教師の立場が無い。


しかし寮の対抗試合など興味の無い、

まぁ勝てたら良いかなー程度の雹はこういうことには甘ちゃんだったりもする。



(見なかったフリをしてやるか)








『…ったく、とりあえず減点はしないが廊下を走った罰に手伝いをしてもらうぞ』


「「「よろこんでッ」」」








[*前へ][次へ#]

3/11ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!