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「あー、たーだいまっと・・・・」




中年会社員のような台詞を呟きながら、ひいておいた布団にダイブする雹。



子供の世話は疲れる。



考えてみれば現在雹の年は18なのだが・・・、年下に見られている中で話すと言うのは気力の要るものだ。

2週間になるが、まあまあ楽しんでやっている。


生徒からの受けも良いと胸張って言えるぐらいだ。





部屋で簡単に食事(日本から仕入れた食材で作った手料理)を取った後、明日の準備を始める。

山盛りの宿題レポート。

そろそろ倒れてしまいそうだがそこはなんとかするのが生徒だった。





「・・・次の・・・授業で、ちょっと話してみようかな」





次の授業とは一週間後の1・2年生の合同授業。

名簿を見ると、嬉しいことに彼女の名前があった。





ジニー・ウィーズリー。





キーパーソンとなるものを、その手に持っている少女―――。

もしかしたらポケットに入れて持ち運んでいるのかもしれない―――。





「――盗むんじゃないんだ――、あれの代わりになるものを――与えてやれば――?」



ぶつぶつと言葉――というか単語を並べていく雹。




ここは教師用の部屋であるし、しかもその上に防音の結界をカーテンのように何重にも重ねている。


――部屋の中に怪しげなお札や数珠が付けられているのは他にもいろいろとある――。


悪戯グッズの聞き耳とか望遠鏡とかでも安心な自信はある。

多分ここは校長室と同じぐらいに頑丈な一室だ。



中にいても部屋の前を誰かが通ればすぐに気が付くよう仕掛けを作っているし、

なにより和風に整えた(改造した)部屋は雹好みだ。





よってどれだけ騒いでも、内緒の話を大声でしても良い。



万一独り言を聞かれたところで、そもそも雹の話す言葉は日本語。

そう簡単にはいかない。




――が、簡単にアイデアが浮かぶわけでもない。




(・・・最悪ほっておいても良いか)




と、なんとも薄情な、赤毛のブラザーズが後で聞いたら怒り狂いそうな台詞を軽く吐き、

宿題をおわらせた雹は布団にもぐりこんだ。






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あきゅろす。
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