桜 3 ロンは全神経を赤い封筒に集中させ――開封した。 とたん、ウィーズリー夫人の大声が大広間中に響き渡った。 「車を盗み出すなんて対抗処分になってもあたりまえです!!!!首を洗ってまってらっしゃい―――」 ネビルは説教が終わる間中耳に指を突っ込んで目をつぶっていた。 同じく目を閉じていたハリーは何を思ったか目を一瞬目を細く開け、隣に座っている雹が涼しい顔をしているのに驚いた。 どうやらあらかじめ防音呪文のようなものをかけていたらしい。 やっと説教の声が終わったこと思えば、痛いほどの沈黙がおりて体が強張った。 「・・・ま、あなた方が何を予想していたかは知りませんけどね――」 「当然の報いを受けたって言いたいんだろう、わかってる」 『・・・ハリー、それ食べないのか?』 「・・・食べる気になれないよ」 ハリーの頭の中をしめるのはウィーズリー夫妻に大迷惑をかけてしまったこと。 申し訳なさ過ぎて、それを考えていてオートミールを残飯にしてしまった。 _______________ 二年生始めの授業はハッフルパフとの合同授業だった。 土まみれのスプラウト先生に引率され、三号温室へ向かったが、途中でギロルディ・ロックハートが茶々を入れた。 許可をほとんど取らずにハリーを連れて行ったのだ。(雹のことも探していたが諦めたようだ) [*前へ][次へ#] [戻る] |