桜
6
もうすぐクリスマス。
雪が降って、湖凍って、雪合戦の声が聞こえて、吹雪の中はるばる飛んできたフクロウの鳴き声が聞こえて、双子のウィーズリーのいたずらの被害者の悲鳴が聞こえる12月。
いたずらというのは、雪玉が人の後ろを付きまとってポンポン跳ねる上原型が壊れるまでループするというなんとも嫌がらせチックなもの。
主な被害者はクィレルのターバン。(・・・)
本日吹雪。猛吹雪。
イン魔法薬学授業地下室。超寒い。
(さむい・・)
吐く息が真っ白い。悴んで歯がガチガチ。
プラス、スリザリンとの合同授業・よってドラコ・マルフォイの嫌味がとんで気分は最悪。
せめて魔法薬学の授業がハッフルパフかレイブンクローとの合同授業なら。
スリザリンが負けたことを根に持っているマルフォイはますます嫌な奴になっていた。
クリスマスなのに家に帰れない子がいるんだねー、とか、木登り蛙のシーカーだー、とか。
ハリーに家族がいないことを嘲るのは人としてどうかと雹は思う。
なんとも古い、というか最低な。
やっと魔法薬の授業が終わり、地下牢教室から脱出。
昼食まであと30分ほど。
ハリーたちはまた、例によって図書館に向かうだろう。
ニコラス・フラメルについて、調べるために。
「あっ、雹!」
『あ・・ハーマイオニー。どうしたの』
「いえね、私たちちょっと調べ物をしてて・・出来れば手伝ってくれないかしら?“ニコラス・フラメル”とういう人物について」
『“ニコラス・フラメル”…どうしてその人の名を調べているんだ?』
「それはスネイプが・・いえ、ちょっと興味があって・・・」
・・スネイプの名前がしっかり出てるよお嬢さん・・そう言いたい所だったが雹は口を閉じる。
かわりににこっと笑って
『私も探しておくよ。クラスメイトの女の子の頼みだからね。』
・・そう言ったら、顔を真っ赤にされて逃げられた。なんでだ?
気が付かない雹も雹だが。
そうこうしているうちに2週間が経過し、クリスマス休暇がやって来た。
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