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「ポッター、もう1つ聞こう」



今日も今日とてスネイプ教授のハリーいびりに熱心だ。



「ベアゾール石を見つけてこいといわれたら、どこを探すかね?」


「わかりません」


「クラスに来る前に教科書を開いて見ようとは思わなかったわけだな、ポッター、え?」



まあ、隅から隅まで覚えるようなヤツはそういないだろうけどね。

ベアゾール石が何なのかわかっていない生徒がほとんどなんじゃないか。

とくに必死で笑いを堪えているクラッブとゴイル。


ハーマイオニーはずっと手を上げているけど。


そんな光景を雹は頬杖を付きながら眺めていた。

さっさと薬の調合の授業をして欲しい。

声にも顔にも出さないのだが。


・・モンクスフードとウルフスノーベンとの違いが何かなんて普通、知ってるわけない。



「桜花、君は授業中になにを読んでいるのかね?」



・・ターゲット変更ですか。まあここのために用意しておいた台詞をさらさらと出すけれど。



『・・日本語に訳した教科書内容です。英語の読み書きはまだ完璧に習得できていませんので』


「・・では、今の質問三つを答えるだろう。立っていってみなさい」


・・・はあ。


『アスフォガルとニガヨモギの混合物は“生ける屍の水薬”とも呼ばれる強力な眠り薬です。』


『・・次に二つ目、ベアゾール石はヤギの腹の中。

・・・探すというより取り出さなくてはいけません。大抵の薬の解毒剤です。』



・・そうだ。



『最後に三つ目。モンクスフードとウルフスベーンは同じ植物。

・・・別名、附子、烏頭、天雄・・』


「「???」」


『・・ああスミマセン、今のは日本名でした。別名アコナイト、ヘルメットフラワー、もしくは鳥兜。』


「「「???」」」



『あ、発音がわからなくて・・・とりかぶと、です』



皮肉は伝わっただろうか。

グリフィンドールの生徒がしてやったりという顔をしている。

・・結局は、なんでノートをとらないのだという一点引かれたが。


___で、その後、おできを治す簡単な魔法薬作り。



『あ、ネビル、まだ針を入れちゃ・・っ』


・・いきなりシューという音がして、緑色の煙が広がった。

ああびっくりした・・ていうか痛ぇ。

何も考えずにネビルを突き飛ばしたもんだから左腕いっぱいに薬をかぶってた。

・・痛い、イタイイタイイタイイタイイタイ。ていうか熱い。



「だ、大丈夫!?雹!」


「雹!」



『・・これ、見て、言えること?・・・マグマの中に手を突っ込んだみたいだよ』


「なんでそんなに落ち着いてるの!」


『痛くて声が出ない』



まあその突っ込みも的外れでもない。

ジュウジュウと音を出してる左腕に感覚が無いからだけど。

制服も腕も焼け焦げて恐ろしいことになっていた。

どうしてくれようこれ一着しかないのに。


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