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スネイプが脱狼薬の事を思い出したのは、必死に走り、暴れ柳の出口までたどり着く直前だった。

そうだ、懐に入れたものをさっさと渡さなくては。

続けて摂取しているなら一時間ぐらいの誤差は調節できるが、そろそろ飲まなくてはいけないぎりぎりの時間だ。

吸魂鬼がいない城に着いたら一番に渡そう。

そう考えたが、ふと思う。

そんなにうまくいくだろうか。やはり今渡しておいたほうが確実だ。

こんなときに限って、ということはよくあることだ。

今渡そう。



そして、気がつく。






「、ルーピン!」

「なんだい?」

「脱狼薬はどうした!今日の夕食前に飲んだか!?」

「・・・・・・、」



きょとり、と。

一瞬何を言われたのかわからない、という顔で立ち止まる狼男。

急に先頭が止まったので後ろを走っていたロンとハーマイオニーがつんのめって転ぶ。

暗い洞窟の中で杖の明かり一つなのでブラックも危うかった。

ロンが杖が転がり慌てて拾おうと手を伸ばした時に、嫌な汗を背中に感じながら闇の魔術に対する防衛術の教師が震える声で言った。







「・・・・・・忘れてた」

「貴様ぁ!!」

「おま、リーマスぅ!!?」





何考えてるんだテメェ!!

そんな叫びが暗い洞窟の中に響き渡たり、ビビッたらしいクルックシャンクスがギャアと鳴いた。




「だ、だって夜の分は飲まなくてもいいっていわれていたからうっかり・・・あれ苦いし・・・・・・」

「それは外に出ない場合だ!何が苦いだッ!!どうする気だ貴様、ここにあるビン一杯分では足りないぞ!」

「マジかよ・・・なんでもっと多く持ってこなかったスネイプ!」

「私に言うなッッ!!」





恐ろしい形相でスネイプとブラックがにらみ合う。

スネイプの台詞はもっともだ。

なんで他人の薬を常時持っていなくてはならない。

どうしましょうと思いながらハーマイオニーは頭を抱えた。

こうしている間にも満月が雲の間から顔を出す。

そしてその騒ぎで目を覚ましたハリーが飛びあがるのも時間の問題であった。






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あきゅろす。
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