□勝手にしてくれ
最近、彼氏が出来ました
今日の俺はとことん運が悪かった。
いつも見ているめざ●しテレビの星座占いでは最下位だったし、登校中にベタ中のベタな溝に片足を突っ込んで足を負傷するなど…兎に角朝からついていない事が立て続けに起こった。
こんなに不幸のオンパレードだと上から隕石が落ちてくるんじゃね?これ?とヒヤヒヤしていたあの頃が酷く懐かしい…。
「…おい、返事は?」
運が悪い日はとことん運が悪いらしくて。
強面不良さんがバックグラウンドに殺気を咲き乱らせながら俺の目の前に佇んでいる。
そんな俺のチキンハートは消滅寸前。心拍数なんて尋常じゃない程のアンサンブルを奏でているからね。
「…おい、聞いてんのか?」
「ひいっ!き…聞いてます!」
本当は全くと言って聞いてなかったけども。
ここは、怒らせない為にも肯定しておいた方がいい。
そう思った俺は、振り子のように何度も頷きながら学校一有名な不良さんに視線を向けた。
「・・・返事は?」
すいません。
俺全く聞いてなかったので何の返事かわかりません。
前にいる不良さんがあまりにも恐すぎて聞き返す事もできません。
あっ、なんかまた殺気が濃くなったような気が。
あわばばば。
ヤバい。ヤバい。ヤヴァイ。
「…あの〜、はいかいいえで答えれば宜しいんですよね?」
「・・・。」
「ひぃっ!すいません!すいません!わかりきった事質問してあなた様のお手数をおかけしてしまい誠に申し訳ございません!」
怖いよ助けてママーン。
って、俺はマザコンかっ!
もう、ここは一かバチかで『はい』を選ぼう。
否定するよりは肯定する方が割合的に言えば幾分良いはずだ。
何の根拠もないけど。
それに俺の本能が『はい』を選べと言っている。
ここは、自分を信じてみようじゃないか。
俺は自分を奮い立たせて言葉を発した。
「…YES!!」
あれ?勢い余って英語返事になったぞ?
ちょっと奮い立たせ過ぎた?
チラッと不良さんを盗み見ると何故かブルブル震えていらっしゃる。
えっ、貧乏揺すり?
って違うだろ!
どうしよう。
不良さんを怒らせてしまったみたいです。
そういや今日の俺ってとことん運が悪い日だったんだっけ。
ヤヴァイ、今日が俺の命日?
ダラダラと冷や汗が吹き出る。顔も青くなりガタガタと今更ながらに震え出す体。
ママン…、先絶つ息子をお許し下さい。
って言うわけねぇだろ!
未来の彼女が待ってるのに死んでたまるかってばよ!
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