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ーRe:VIVEー歪曲者たちのオペレッタ
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「こりゃあまた派手にやりなさったな。」

厚いレンガの壁に囲まれた地下にある狭く薄暗い事務所で、分厚いゴーグルをかけた男は今朝出たばかりの新聞記事に小さく唸った。


『イギリス郊外ドゥーディー家で集団自殺!事の真相やいかに!』

大きな見出しのついた新聞に、柔らかい皮の黒いソファに座っていた猫っ毛の男が目を細め、楽しいことかい?と席を立ち上がった。



「集団自殺?なになにー…イギリス郊外の屋敷で、男3人女7人の死体、ねぇ。随分酔狂だねえ。」

間延びした声でふざけたようにこわいこわい、と肩をすくめる長身の男は、シナモン色の癖っ毛を揺らしながら大袈裟に驚いて見せた。

「クシェル。室長が。」

ー呼んでる。

部屋の奥の扉から薄い銀縁眼鏡の男が顔を出した。
男の言葉を最後まで聞かないうちに、猫っ毛の男、…クシェルはハイハイと笑って、金の装飾の施された重い黒の扉から出て行ってしまう。
入れ違いに扉から出てきた銀縁眼鏡の男は、そんなクシェルの態度を意にも介さず、さっさとデスクに戻り神妙な顔つきで書類に目を通している。


「…関係あるかも、?」


その全てを見ていた空のデスクの多い部屋に取り残された金髪の男は、一番大きな画面のデスクトップを立ち上げると、ゴーグルの奥の瞳をひそめた。












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あきゅろす。
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