小説
A
「どう見てもって…なぁ…」
「なーっこんな可愛い男って居たのかよぉ!!まじお兄さん達びっくりだわ!!」
むっ失礼な!!
確かにモヤシみたいな体つきだけど!!
「てかさっき、友達って聞いて軽く期待した俺どうするよー」
なんか凹んでる?
「ばーか!!
こいつ君を見た時から可愛い可愛いうるさくてさー。どストライクだったらしい。」
「さすがに少年に手だせねーわー」
「ったりめーだろ!!他あたるべ!!この子レベルの子はまぁ居ないだろーけどなぁ。」
「だなー。久しぶりに見つけたタイプど真ん中だったから…にしても…」
ジーっと顔を近づけられた。
「かっわいーなぁ。何か有りな気がしてくるわぁ…」
「無しです。僕は男って言ってるじゃないですか!!」
恋人も男だけどねっ
「ははっ
ごめんごめん!!諦めた!!何してたの?こんな朝早く1人で」
にっこりの笑う二人組はやっぱり好印象。
屋上やパラソルで絡むような人達とは明らかに違うので少し気を許せた。
「貝殻と石…拾いながらお散歩です。」
「まじ?じゃ朝食の時間まで一緒に拾ってやるよ♪」
やっぱ良い人達だ!!
「あっありがとうございます…」
「言っとくが、君が可愛くなかったら男の為に動かない!!そんな俺です!!」
「えばって言うな馬鹿!!」
「あははっ」
二人の掛け合いがおかしくてつい笑ってしまった。
二人がポカーンとしてしまった。
「きっ君、やっぱこんな時間に1人でうろついちゃダメよ!!」
「危険が危ないぞ!!そういう人達もいるんだから…やっぱ可愛いのに男女関係ないっていうかね…そんな感じよ…」
よく解らないが、三人で朝食まで綺麗な石や貝殻を拾ったり楽しく会話したりとても有意義な一時となった。
朝食の時間になり、三人で戻ろうかと話していると、
「ひろ!!」
あ、条だ。
「条、起きたんだ。みてみて貝殻と石をね」
「だから1人でうろつくなって言っただろ!!」
「ひろっ…て…」
条に怒鳴られた。
「おい、お友達〜気持ちわかるけど怒鳴ってやるなよー」
お兄さんが仲裁に入る。
…けど
「うるせぇ。どうせお前らも尋に下心ある野郎たちだろ。会話に入ってくんな。」
条の目は完全に座っていた …
何だか一気に悲しくなった。
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