小説
@
フカフカ
ぬくぬく
「んん゛ーっ」
ペンションで迎えた朝。
ふっかふかでフワフワなお布団がたまらなく心地よい。
クーラーのきいた部屋に僕にくっついて寝ている条のぬくもりがまた眠気を誘う。
まだ朝の5時代だった。
何だかいつもの習慣で起きちゃった…
そろりとベッドから降りて条を起こさないように…
カーテンをそっと開けたら素晴らしい景色だった。
まだ空は薄暗いけど日が昇りかけていて水平線には小さく小さく漁船や客船が見える。
もうサーフィンをしている人たちもいる。
日の昇りかけでオレンジに輝く水平線にうっとりと見とれた。
何だか一気に1人でテンションが上がってしまい砂浜に散歩に繰り出すことにした。
条は朝に弱いので起こさずメモをして出よう…
着替えてビーチサンダルを持ってペンションを出た。
もうペンションの1日は始まっていて厨房から声が聞こえたりした。
海まで近く数分で着く。
ビーチサンダルに履き替
えてまだまだ人気が無く静かな海岸。
波の音に耳を済ませる。
少し歩いては綺麗な貝殻や石を拾ってポケットに入れた。
帰ったら瓶に詰めよう。
「あっれー?ペンション同じ子だよね?てかオハヨー」
いきなり波乗りから戻ってきたお兄さん二人組から声をかけられた。
日に焼けて今時っぽいけど優しそうな印象。
「あっすみません。僕、あなた達を見ていませんがあそこのペンションです。
あっおはようございます。」
と指さした。
「あーやっぱそうだよ!!すっげー美形なお友達といたよね?」
「あっはい…」
やっぱ条は凄いなぁ…
「いやーまじ美形だったけど…あれ彼氏?」
「いっいや…違います。お友達…です。」
普段は面倒くさいのでこう言う。
信頼してる人たちだけ知ってくれていれば良いんだ。
「まじー?男女2人で旅行って、くるんだーなんか有り得ないわー」
「それはお前が手が早いからだろ!!」
お兄さん達は談笑してるけど…
男女?
はて?
「あの…男女じゃありません。友達も僕も男です。」
二人が目を丸くした。
「えっえっ…まじ?君、男?」
「…はい。どう見ても…」
どう見ても男だぞ!!
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