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小説
D
カチャ


「尋、どーぞ。」



ペンションの二階。BARのようになっている一階のロビーを通りこれまた上品な螺旋階段を登ってきたらすぐに僕たちの部屋。



「わ…すご…」


言葉にならない。



部屋はとても広くて、クリーム色の美しい壁に天蓋つきのダブルベッド。


照明は小さなアンティーク調のシャンデリア。


目の前にバッと入ってきたのは、バルコニーの向こうに見える真っ青な海。





「ここ、全室オーシャンビューだけどここは特に良い場所だよ♪」



「凄い綺麗。僕、バルコニーに出たい!!」


バッと飛び出しバルコニーに出た。


爽やかに吹き抜ける風が心地よい。


海まで三分だからもう絶景。


カモメが悠々と飛び回り、青空には飛行機雲。


「尋ー早速海に行こうよー。」



ハッ


そうだった。何だかペンションだけでお腹いっぱいになる所だった。


「尋の水着は水色♪」


そう、条が見立てたもの。
条はすでに水着になっていた。上からパーカーを羽織って…

「条のはシンプルな迷彩だね。凄い似合う。かっこいいー…」


ウットリ見ていたら

「ちょ…あんまり可愛い顔しないでよ…海どころじゃなくなるからっ」



「あっごめん。僕も着替える!!」





ジー…



「見ないで!!」



「はいはい♪」



ぱぱっと水着に着替える。


水玉模様の水色の水着。
水って何回言うんだ…


ショートパンツみたいな短かさ。


「もちょっと長くても良かったような…」


「あっ着替えた?」






「変?」


「いや…あんよが綺麗で見とれてた…」


「も、あんまり見ないでよ。」


イヤラシい目で見てくる条を無視して、僕も白いパーカーを羽織る。



「あっ尋、冷えやすいんだからパーカーの前ちゃんと閉めとき。」


ファスナーを上げられてしまった。


「ん〜ギリギリ良し!!だが、あんよが…勿体無い…俺のなのに…もっと長くすべきだったか…でも着た想像したら可愛さに負け…」



何やらブツブツ言う条。


「もーっ条!!行こうよ!!」


グイッと腕を引っ張って急かした。



「あっ、ハイハイ。鍵とー着替えとータオルとー金とー。…OK♪」




やっと海に出発だ♪

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