小説
C
「着いたわよー!!ゆっくりしていきなさいよ〜♪」
バンッ
車から荷物を運ぶ。
ヒョイ
「あっ、条。自分の荷物くらいっ」
「いーの。今から尋に体力使わせたら勿体ない♪」
…どういう意味だろ。
「まぁー!!うちは防音バッチリだけどねぇー!!あはははー!!」
美夏さん…それって…
ともあれ、美夏さん経営のペンションはペンションと言って良いの?ってくらいでかくて上品な佇まいだ。
まるで英国の小さなお城みたい。
あちこちにお花が咲き乱れていて、条の家を思い出す。
「凄い…こんな所を…無料で…良いのかなぁ?」
「いーのよー!!条には昨年バイト代出してないからねー。由香に中学生だしって、止められちゃってねー。」
「母さん、身内の手伝いなんて仕事に入らないってさ。」
条のお母さんは厳しいんだなぁー。
「素敵な家族だねぇ…僕もこんな可愛いペンション働きたいなぁ…」
「「だーめ!!」」
2人揃って言う。
「尋ちゃんみたいに可愛い子、危なくてウロウロさせらんないわよー!!」
「尋、屋上の件忘れた?ヒヤヒヤするから止めてよー」
なんだか2人して猛烈に反対するので渋々諦めた。
「ほい、条。部屋の鍵。まぁ楽しんでいきなよー♪」
「あぁ…ありがとう美夏さん。」
「あっありがとうございます!!」
美夏さんは、さぁ忙しいぞー!!と言いながらペンションに走って入って行った。
「行こ、尋。ここの部屋からの眺めは最高だよー」
部屋は勿論一部屋。
なんかドキドキしてきた。
「うん!!楽しみ!!」
大荷物を持ってくれてる条の後ろを着いていく。
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