小説
I
…
「嘘ー!!!」
条の叫びが僕の寝室に響き渡る。
なんと僕、湯に浸かりながら条のを口でしていた為…
立ち上がった瞬間に意識飛びました…
のぼせちゃった…
「ごっごめん…僕かなり必死にやっていたから、上せやすいの忘れてた。」
「まぁ…怪我無くて良かった。まったく尋は心配ばかりかけるお姫様だよ…」
「お姫様じゃないもん…」
小さな声で少し反抗。
「このまんま寝よっか!尋も疲れたでしょ。」
そんな…多分条はしたかった筈。
「したかったよ?でも仕方ないの!!尋の体が一番!!」
見透かされてる…
「あっありがとう。好き。」
「…可愛いなぁ〜俺にやけちゃうよ〜♪」
と良いながらベッドに潜り込んできた。
「ん〜♪良い匂い。抱き心地良い〜」
スリスリしながら胸へと僕を抱き寄せる。
トクン…
トクン…
トクン…
気持ち良い心臓の音。
生きている音。
好きな人の温もり。
体温。
今、ここにいる。
確かにいる。
もう、居なくならないで…
ブルッとした。
一瞬たまらなく怖くなった。
「尋?」
「条、ごめんね。僕すごく重たいかも…もう好きな人を…大好きな人をっ」
言葉にならなかった。
「大丈夫…いつも居る。生きている。尋の為に俺は生きる。裏切らないし消えやしない。」
「本当に?でも…人はあっという間に…隣にいたのに…毎日…」
どうして今…
こんな不安になる。
「尋、今日俺とエッチしなかったの気にしてる?」
あ…
「心のどこかで、エッチしないと俺が離れていくとでも思った?」
少し怒っている。
「ごめんね。条には何でも解っちゃうね…」
「謝らないでよ。尋、確かに俺は尋と体を繋げるのが好きだよ。でも、尋だから。尋じゃなきゃ意味がないんだよ。尋にしか激しく求めたりしない。それくらい好きなんだ…」
真剣な顔をして語ってくれた。
琥珀のような目に吸い込まれそう。
「…ありがとう。こんな事初めてで、またお母さんみたいにいきなり…この世から消えてしまったら、とか凄く考えちゃうんだ。」
1人で踏ん張った時期が長かった。
父さんには仕事を笑顔で送り出した。
誰かを好きにならなければ辛くもない。
でも…寂しい。
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