小説
D
条と出るまでにちょっとあったけど、仲良く家を出た…
は良いが。
斎藤くんの親戚の居酒屋についたとたん、女の子たちが…
ワーーッ
と条に群がって。
まぁ、かなりモテるし。知ってたし。
解っていたし。
「はいはーい!!幹事の斎藤です!!みんなドリンク渡ったぁ?」
あ、条が気になって忘れてた。
「あっ中嶋〜言えよ〜何飲む?うちカクテルも凝ってるの結構あるよ♪」
よく気がつくなぁ…斎藤くん凄い。
「条と…」
同じもの
って言おうとしたけど、いまだ女の子に囲まれている条を見ていたら、何だかどうでも良くなってきた。
「…斎藤くんと同じので…お願いします。」
何でも良い…
「えっこれ…ま…いっかぁ。今持ってくるっ」
走って斎藤くんが持ってきてくれたのは、薄い果実のようなピンク色で甘い香りのする飲み物だった。
「あは…可愛いぃ…」
自然と笑みがこぼれた。
やっぱり可愛いのや綺麗なのには弱い。
「まて。今のは、中嶋が可愛いっしょ」
赤くなって斎藤くんが言うからびっくりした。
「はいはい!!乾杯しようね!!それでは〜明日からのながーい夏休みに」
「乾杯!!!」
ワーッと盛大に始まった飲み会。
隣に条がいない。
沢山の女の子に逃がしてもらえないようで困惑気味だ。
もういい…仕方ないもん。
「中嶋?どした?」
斎藤くんが顔を覗きこむ。
でも、泣くところなんて見られたくない。
「わーっちょっ中嶋?」
グイーーッと
僕はピンクの飲み物を一気に飲み干した。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!