小説
B
「はぁ…」
校内にある中庭。
条はアルバイトで先に帰った。
僕は何気にお気に入りなお花が沢山植えてある中庭にいる。
狭いけど落ち着く。
考え事をする時はここによく来るんだ。
「あっれ!!尋くんじゃん。1人で居ちゃ危ないぞ〜」
拓海先輩だ…いつも神出鬼没だなぁ〜
「ちょっと…です」
答えを濁した。
「…悩み事?良かったら先輩が聞いちゃろか?」
「先輩…部活は?」
「ん?大丈夫♪顧問は俺に一任してくれてるし。うちの部員は優秀だから各自まじめに活動してくれてるよ。部長が少し居なくたって平気!!」
凄い。信頼関係が成り立っているなぁ。
「でも…言えません」
事情が事情だしね。
「けだものな条の性欲について悩んでるんでしょ!!」
「えぇっ違います!!」
けだものって!!
「違くて…その、僕も…何というか…」
言えないよ。
条と…もっともっと触れ合いたいなんて。
「まぁ〜尋くんもな。女の子みたいな顔して男だしなぁ。」
うそ…
「女の子みたいじゃないです!!」
「あははーごめんね。それはまぁ置いといて…」
置いとけないっ
「尋くんさぁ…ずばっと言いますが…」
一気に緊張する。
一体なに言われるんだろ?
「欲求不満ですって顔に書いてあるよ」
「…ええぇっ」
思わず顔を手で覆った。
「あははははー!!本当に書いてる訳ないでしょ!!まじで天然だなぁ〜」
「…そんなに僕、欲求不満な顔してますか?うわぁ恥ずかしいなぁ…」
拓海先輩はキョトンとして
「いやー違うな。なんてゆうか…ヤらしい表情してるんだよね♪たまーにね!!」
嘘嘘…本当に?
「特にオイラのビニールハウスから出てきた時とか…ね♪うちの二年の野郎達なんか目が最近怖いもんね。尋くん、あんま1人になるなよ…」
ビニールハウスから…か
校内で二人きりになる時はビニールハウスだ。
包容もキスも校内ではそこ限定。
僕は欲求不満なのかなぁ…
「拓海先輩…僕から…何か言ったりしたりしたら、気持ち悪いかなぁ。」
またまた拓海先輩のキョトン顔
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