小説
E
条と美味しい喫茶店で空腹を満たした。
お気に入りのお店に連れて行ってもらえるのは嬉しいな。
意外なのは条が服屋さんでバイトをしていたこと。
お洒落で格好良い条が服屋さんで働いていてもおかしくない。
だけど条の家は誰もが知っている有名な不動産屋。
条はお坊ちゃまなのに働くんだぁ…
と感心した。
「だってねー親が金持ってるからって高校生になってまでお小遣いねだれないって。」
「凄い。普通そんな風に思えるかなぁ。僕なんてお父さんが大反対するから…」
「解る気がする。尋に悪い虫がつかないか心配なんだよ。」
何。悪い虫って。女の子じゃないんだから…
「だとしたら少し過保護かも…うちのお父さん…」
昔からだけどね。
尋はポーっとしているから変態が寄ってくるかも…って。
それを言ったら
「あはは!!俺かもね♪」
ん?
「確かに条は変態かもね…」
「そう。尋にだけ。いつだって頭の中の尋はいやらしいんだよ♪」
もう…やっぱり変態だ!!
「条の変態!!」
「ははっ本当の事だ!!さぁ…次は映画でも行く?」
「…うん。映画久しぶり。」
内容は大規模なSF映画。
何億もかける迫力満点なハリウッド映画は結構好き。
「尋がSF好きとは…意外だなぁ。」
「そう?僕はUFOとか宇宙とか好き。何かロマンチックだよね」
「なるほど。確かに。惑星とか好きそうだ。」
あっ
「好き!!土星の輪っかとか触ってみたい!!」
「ぶっ」
ん?何か肩震わせている。
「なに…条?」
「いや…もう尋可愛い。俺が尋に触りたいよ。」
また…
「からかわないでよ!!ほら行こ!!映画館どこ?」
何だか恥ずかしくて急かして映画館に行った。
触りたいだなんて…
僕だって朝からずっと考えているのに。
触りたいのは条だけじゃない。
でも恥ずかしくて伝えられない。
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