小説
C条side
日曜日。
尋とデートの約束をした。
尋は俺を好きと言った。
朝からにやけてしまう。
尋の私服は初めて見る。
俺はいつも通りのシンプルな格好。
ジーンズにTシャツ。
小物はピアスくらい。
約束場所まで電車で。
あともう一駅越せば着く…
「あっ条?」
女の子の声がした。
「条じゃん!!なにーどこ行くのー。予定ある?」
あぁ…いつしか寝た子かな。
あまり覚えていない。
「久しぶり。わりぃ。予定あるんだ。」
何だか面倒くさいので簡潔に答えた。
「なにー!!デート?ってそりゃ無いか!条デートなんかしないもんねぇ〜」
ふざけながら女の子は甲高い声で話す。
まぁ、デートなんてしなかったな。
最低だが、頻繁に女の子と関係を持っていた頃はデートなんかせず、速攻でホテルや相手の家へ行き、欲を満たせばすぐに帰った。
そのツケなのか。
「条〜また遊ぼーよ♪気楽な関係で良いからぁ〜」
こんな誘いが増えた。
尋しか見えない俺は女の子の相手をしなくなったからだ。
尋に…被害が及ばないか心配だ。
「まじで駄目。大事な用なの。悪い。」
少し優しい声で謝れば…
「まぁ…大事な用なら仕方ないよねぇ。また誘ってよねぇ〜」
上目遣いで答えた。
あぁ…そういや尋の上目遣いは天下一品だなぁ…
なんて女の子がいるのに尋の事を考える俺は…末期だな。
目的の駅に着いたから女の子に別れを告げ、尋のもとへ急ぐ。
きっと律儀な尋はもう来ているだろう。
とは言っても俺も約束の20分前だ。
ホームを出て、でかいデパートの前で待ち合わせだ。
歩いて目的のデパート前に着く。
尋はやっぱり先に来ていた。
やばい。可愛い。
思わず、思いっきり顔がニヤケた(鼻の下伸ばした)俺の顔はかなりだらしないと思う。
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