小説 E一ミリを超えたら 条に抱き締められた。 助けてくれた。 泣きそう。嬉しくて。 酷く腕の中が心地いい。 条はさっきの事、身代わりじゃなく…そのままの意味だと言う。 僕も身代わりは嫌だ。そう思ったからそう言った… が なぜ身代わりじゃ嫌なのか解らない。 条には 「尋の天然小悪魔」 とか言われてしまうし。 「条は僕に何を求めるの?」 もう率直に聞いてしまった。 よく解らないのは沢山だ。 友達では…ない気がする。 発言がちょっと変だし。(おもに変態発言) 「何を?決まってるよ」 条は茶色い瞳をゆらりと揺らして… 僕を見据えた。 「尋を求めているんだよ。気持ちも身体も欲しい。さっきさ初恋って言ったよね。」 まだ僕は条の腕の中。 僕と条の顔の距離はたぶん一ミリしか無かったんじゃないかな… 「尋のことだよ…」 ーそう言って条は僕にキスをした。 [*前へ] [戻る] |