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獣よりもなお浅ましく(リリさんへ)

寂しいって感情を愛情に誤変換。
胸の中鳴り響くのは明らかなエラー音。
私たちは何度おんなじ過ちを繰り返せば気が済むんだろう。
いくら私を抱きしめてもあなたが本当に求めるものが手にはいるわけはないし、あなたの瞳の中をどんなに探しても私の求めるものは見つかるわけもないし。
繋いだあなたの体から伝わる体温のすべてが幻じゃなかったとして、それでも私は悲しくなるだろう、後悔し、苦しむだろう。
会えば辛くなるってわかってるけど、会えないのはそれ以上に辛いのだ。とても苦しいのだ。
君を求めるこの強い気持ちが「愛」と呼べればいいのに。
あなたが私の本当だったらいいのに。
私が君の答えになれるんだったらいいのに。

もっとシンプルになれればいい。ただそう思い込めればいい。
愛と呼ぼうが依存と呼ぼうが互いの傷をごまかしあう私たちの浅ましい行為の本質が変わるわけではないのだ。
どちらにせよ。
すべては。
いつか。

終わるのだ。

イルミネーションの輝く夜の街で、どうしようもない気持ちになって隣を歩く君の手をぎゅっと握り締める。

愛してるよ。

嘘っぽいあなたの言葉は空っぽの私の中で反響し、
いつまでも乾いた音を立て続けるだけで




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あきゅろす。
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