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愛してる…(bitterさんへ)


「馬鹿みたい」

彼の言葉に私の中に残ってた熱が確実に下がってしまうのを感じる。
彼のいいたい事がわからないわけじゃない。
彼を責めるつもりもないし、その資格が私にないこともわかってる。それでも私の中の熱は少しだけ冷める。
「馬鹿みたい」
口に出してつぶやいてみると、本当に全てがばかげた事のように思えてくる。実際それは、ありふれた。取るに足らない。くだらない話。なのかもしれない。それでも私達にとってはそれなりに重要な話をしていたはずだ。
彼と一緒に暮らした三年間は長いとは言えないかもしれないけど、決して短くはないはずだ。

沈黙から逃げるように彼は私から視線をはずし窓の外を見る。
「雨降りそうだね」
「うん」
それが彼なりの優しさなのか、ただの素直な気持ちなのか、罪悪感を紛らわしたいだけなのか(罪悪感?)
わたしにはわからない。
判ったところで意味なんてないのだ。
もう答えは出てしまっているから。
彼の言葉をそっくりまねして私は馬鹿馬鹿しい台詞を口にする。

「私もまだ愛してる。でも、もう終わりにしようか」


窓の外から雨の振り出した音が聞こえた

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