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プラットホーム(美貴さんへ)


泣き出しそうなキミの前で、何でもないよって笑ってみせる


『寂しくなるね』
とキミ
『いつでもまた会えるよ』と僕

好きあったまま離れ離れになる人達は一体どれぐらい存在してるんだろうか?

それはそんなに珍しい事ではないのかもしれない。

小さな時からずっと一緒で、気付けば当たり前みたいに好きになっていた。
このままずっと一緒だと何の疑問も持たず馬鹿みたいに信じ込んでいた。

距離が離れてしまえば心も離れてしまうだろうか?


『大人になったら迎えに行くから』
笑いながら僕は言った
『うん。まってる』
泣きながらキミは答えた。

約束は単なる言葉だ。
僕たちは離れ離れになる。途方もない時間互いに相手のいない生活を過ごさなければならなくなる。言葉はとても無力だ。言葉で全てを縛ることなど出来ない。それを知りつつ僕らは気付かないふりをする。祈るような気持ちで言葉の効力を信じようとする。


堪え切れず涙をながすキミを抱き締めて母親が子供にするように優しく髪をなでる。

『ほら、もういかないと』
あやすように僕がいうとキミは涙をぬぐって無理やり笑って僕の腕からすり抜けていった。

電車に乗るまでの短い距離でキミは何度も振り返り、その度に僕は大きく手を降り続けた。


僕は手を降り続けた。キミが見えなくなるまで。ずっと笑顔で。


本当は僕もキミのように泣きたかった。
どんなに悲しんでもどうにもなりはしないなら、せめて平気なふりをしようと思った。もちろんそんなことに意味はない。わかってる。だけどどうすればよかった?

『行かないで欲しい』

そう言ってみっともなく泣き叫べばキミはとどまってくれただろうか?


淋しさが胸に穴を穿つ。

僕には何も出来やしない。



キミのいなくなった街で僕は1人すべてを憎む。

嫌味なぐらい青すぎる空を

キミがいなくなっても変わらず続く日常を

去り行くキミを


無力で

ちっぽけで

ふがいない

僕自身を



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あきゅろす。
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