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カラクリ*ハート
*海賊がやって来た
とある夏島にて、毎日平和な日々を過ごしていた私には何の関係も無いのに…

事件は突然起こった

海賊がやって来たのだ…
「おい、聞いたか。今港に海賊が来てるらしいぜ!!」
『そんな話してても始まんないよ、さっさと店閉めとこ。』
「だよな〜、こんなちっこいバーに客なんか来ない…」

バンっ!!

「スイマセン、今日は店閉めるんで…」
「ほぉ…今日はもう閉店なのか?」

入って来たのは、細身の長い刀を持った男とその仲間であろう人達が数名…
『閉店間際に来るなんてタイミング悪いなぁ〜。』
「そうっスよ!いや〜本当に申し訳ごさいません。」
「別に構わねぇだろ?あるだけ出せ。」
『そうですか…ジン!倉庫から酒樽運ぶぞ〜、スキンは店長にも顔出しに来いって言ってきて〜。』

早く店終われると思ってたのになぁ〜、残念だ。
「おいそこの!」
『呼びましたか。』
「お前、俺達が怖くねぇのか?」
『あー、怖いデスネ。』
「舐めてんのか?」
『別に…海賊もこの店入れば客なので。』
「そうか。」
「メイル、持ってきたぜ…。」
『あぁ、はい。お待たせしました〜。』
「メイル、つまみできたから…ね。」
『了解〜、今行きま〜す。』
「メイル…か。」
「どうしたの?キャプテン、あの子気に入ったの?」
「普通の女にしちゃ、肝が据わってやがる。」
『つまみお待たせしました。』
「お前、メイルってのか?」
『あー、そうですけど?』
「お前、面白い奴だな…。」
『そうですか、良かったデスネ。』
「海賊は欲しい物は何でも手に入れる。」
『金?それとも酒ですか?』
「何故俺がこんな事を言うか分かるか?」
『?』
「鈍い奴…俺はお前が気に入った。だから貰って行く。」
「「えぇーーーー!!」」
『あ、綺麗にハモった。』
「お、おい…アンタこいつを貰うって…。」
「何だ問題でもあるのか?」
妖しい笑みを浮かべながらその男は笑った
「お疲れ〜皆頑張ってるか〜い?」
『店長、一体どこで油売ってたんですか?この役立たず。』
「酷い!私はコレでも頑張っている方だ!!」
『嘘つくな、どうせ裏口でこの出来事をやり過ごそうとしてたんだろ?』
「ギ、ギクッ!!そ、そんな事はないよ!!」
「茶番はそこまでだ。明日また来る、其れまでに準備しておけ。」

そう言い残すと、仲間を連れて出て行った。

「メイル君、一体どうするのかね?」
『そうだな…夜逃げすっかな。』
「夜逃げって!相手は海賊だぜ。そんな事したら…。」
『大丈夫だよ。まぁ、皆には世話になったね。ありがとう、今から出て行くよ。』
「あぁ、君の幸運を祈るよ…。」
「もぅ、会えないんだな…。」
『迷惑になる原因は、早くいなくなったほうが良いんだよ。じゃぁね。』

私は荷物をまとめて店を出た…

『また、新しい場所…探さないとな。』


別れにも笑顔で、海賊だろうと何だろうと笑顔で接してきた。
この作られた仮面は一生剥がれることはない…自分を守るため、嫌われないため、理由ならざまざまだ。
自分の居場所を探すため…もぅこの町には居られない。
「逃げるのか…?」
『!!』
「やはりな、大抵の奴は夜の間に出て行く。」
『そうですか。仕方ないですね…この町には手を出さないで貰えますか?』
「わざわざそんな危害を加えるような事なんてしねぇよ。」
『そうですか、ならもう足掻いても無駄ですね。』

私はそのまま彼らの後をついて海賊仲間になりました

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