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小説

あれから美奈子と帰る約束をしたら休み時間が終了した。

「では前期の委員会及び係り決めを行います、各自自分の希望する委員会のしたに名前を書いてください。」

学級委員に選ばれた生徒が教壇に立ち指示をしている、それに従うように生徒達がぞろぞろと動き始めた。

私は一番楽な保健委員にしようとしたのだけれどクラスの黄瀬君のファンの子達が絶対に保健委員がいいとすごい勢いで面倒くさかったので諦めて、比較的楽そうな挨拶委員にした。

「それにしてもさぁ〜、涼太に付きまとってるあの女なんなの?」

「あっ、それ私も思った!」

「あぁ〜、なんでも彼女なんだって」

黄瀬涼太の彼女ってことはどうやら彼女たちは私の友人の美奈子のことを話しているみたいだ。

「はぁ?なにそれ、だったら私の方が全然いいでしょ!なんであんな女が彼女なのムカつく!」

なんかあまり美奈子のことを良く思っていないようで、面倒なことが起こらなきゃいいけど。

そんなこんなで委員会決めなどをしてその日の授業は午前中で終わったので私は約束をした校門の前に向かった。

「ごめん主人公の名前、担任の先生が話長くてさ」

「大丈夫、全然まってないからどこの先生も話長くて困るよね。」

「そうだね」

そういいながら二人で笑いあっていると少し離れた所から声が聞こえた。

「美奈子っち〜」

「えっ、黄瀬君どうしたの?」

「俺たちカレカノじゃないスか〜俺も美奈子っちと一緒に帰りたいっス!」

長身の金髪美形がその整った顔をふにゃりとさせ涙目になりながら友人にしがみついていた。

「いいけど、私学級委員になったから待たせちゃうよ?」

「全然平気っスよ!」

「分かったよ、主人公の名前もそれでいいかな?」

「いいけど」

てことは、今度から黄瀬君と二人で校門で待つことになるのか、ファンの子になんか言われたらどうしよ面倒だな、というか黄瀬君は帰る方向は大丈夫なのかな?

「じゃあ、主人公の名前と黄瀬君三人一緒に帰ろうね」

「了解っス!」

「分かった、待ってるよ」

この日から、美奈子と黄瀬君と私の三人で帰ることになるそうだ。

「あっ、紹介するねこの子はわたしの友達の主人公の苗字主人公の名前だよ」

「今自己紹介するの?どうも主人公の苗字主人公の名前です、よろしく」

「はは、今気がついたんだよねごめん、でコッチが…」

「美奈子っちの彼氏の黄瀬涼太つス」

「じゃあ、自己紹介も終わったことだし、さっそく三人で帰ろっか」

三人で話しながら帰っていると、黄瀬君の住んでいる所が私たちと反対方向だと分かり、なんか申し訳ない気持ちになった。

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