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小説

目を開くと、見覚えのない部屋に私は横たわっていた。

「頭痛い…というか、ここどこ?」

確かにあの時トラックに轢かれたんだ、普通は病院の病室で目が覚めるんじゃないの?じゃあこの部屋は一体…

「本当になんなの…」

と私が言うのと同時に、扉が開く音がして美奈子が入って来た。

「あっ主人公の名前、よかったちゃんと隣の部屋に居た」

「美奈子、なんで私達無傷なの?一体ここは何処なの?それにちゃんと居たってどういうこと?美奈子は何を知ってるの?」

「ちょ…ちょっと主人公の名前、一気に質問してこないでよ!?」

美奈子にそう言われて少し冷静になった、そうだ美奈子だって同じ状況なのにいきなり私に質問責めされたら困るに決まってる。

「ゴメン、ちょっと取り乱した」

「大丈夫だよ、普通目を開けたらいきなり知らない部屋に居たりしたら誰だって混乱するよ」

美奈子は不思議なほど落ち着いていてその表情には余裕がある、何か知っているのだろうか?

「この状況について何か知っているの?」

「そのことなんだけどね…」

それから、美奈子からどうしてこんな状況になったのかを教えてもらった、どうやらあの時私達は、まだ死ぬ予定ではなかったのに手違いで死んでしまったらしく、しょうがなく別世界で残りの人生を過ごすことになったという。

「何それ…本気で言ってるの?」

「でも、そうじゃなきゃこの部屋のことを説明がつかないでしょ?」

なんか、美奈子はこの現実を簡単に受け入れているように見える、もっと神様の理不尽さに怒ったりとか友達のこととかを心配しないのかな?美奈子は強いなぁ。

「だとしても、これからの生活はどうするの?元の世界に戻れる方法は本当にないの?」

そうだ、別の世界で生られるとしても、やっぱり元の世界にも大切な人はいるし離れたくないから出来れば戻りたい。

「これからの生活の心配はしなくても大丈夫だよ、神様が定期的に必要な分のお金を送ってくれるらしいからね」

「これからの生活はってことはやっぱり元の世界には戻れないんだね…」

「それだけは、神様でも出来ないって」

それだけはって、神様なんだから出来て欲しい、だいたい手違いで死ぬ予定じゃなかった私達を死なすのは神様としてどうなんだろう?

まぁ、いま神様をどうこう言っても戻れるわけでもないから、そこはもう…諦めよう。

「ねぇ主人公の名前、話は変わるけど、私達まだ高校生だから学校に通うことになってるんだけど、明日がその高校の入学式が明日なんだよね」

「何それ…」

「その高校の名前がね、海常高校っていうんだって」





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