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ホラー小説
ずれていく日常 前編


作 天海千風



ー私の名前は風間優(かざまゆう)。今取り返しのつかないことになった中心にいるー


ー全てはあの日に運命が決まったー






快晴。熱い太陽がじりじりと地面を照り付けてかげろうがたってる。

こんなクソ暑い日にはプールに入るに限る。

今日は体育がありプールに入れる。


「優?大丈夫?」

親友の眞島九鈴(まじまくりん)がわたしに優しく話しかける。

「大丈夫。プール入れると分かってにへらーとしてただけ。」

親指をたててグッドのかたちにして九鈴に向けてにっこりする。


九鈴はなんだという顔をしてもう一人の親友の蜂谷美羽(はちやみう)のところに駆けていった。

程なくすると九鈴が美羽を連れてきた。
美羽は透き通った綺麗な白い肌に艶々の黒髪を持っている。くりくりとしためがにあう。

九鈴は大きな目がつり目になっていて見ていると吸い込まれそうで怖い。でも本当は優しい女のコだ。

中1の仲良し美女と言われていた。


美羽が

「ねぇ、優 もうプールに行こうよ。先に着替えて水のかけっこやおしゃべりしよ。」

にっこりと笑顔で私にいう。私はもちろんオッケー。
でも九鈴は嫌そうな顔をしていた。

美羽が心配して九鈴に聞く。

「どしたの?九鈴?」

「Sなんよ。」

「…了解。」

私が

「そっか…。一緒に入れないね。じゃベンチに座っておしゃべりする?」

美羽と九鈴同時に目を輝せて

「「うん!」」

と答えた。


プールでぱっぱっと着替えて更衣室をでてベンチに座った。

九鈴も美羽もでてきて他愛ない話に花を開かせてずっとおしゃべりしてた。




美羽が
「ずっとおしゃべりはつまんないね。こっそりプール入ろう」

と準備体操もせずにプールにばっしゃんとはいってしまった。

「九鈴ー。優ー!冷たくて気持ちいぃ。優もはいれば?」

私は九鈴の悲しげな眼差しに逆らえなかった。

まるで私は寂しいのよ。優も行くの?みたいな。九鈴の目がそう語っていた。

美羽が

「ねぇ!プールの底に何かある!優も見てよ!あ…あっ…あっあっあっ…あぁああぁああ!!」

美羽は叫び声をあげてプールの底に沈んでしまった。

私と九鈴は美羽の芝居だと思い、笑っていた。

しかし美羽はあがらない。

九鈴が
「もしかして…美羽足つった?ヤバいよ。助けて!」

私は九鈴に押されて水のなかにはいってしまった


プールの底に美羽はいた。黒い髪の毛の束にがんがらしめにされて気を失っていた。





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