時の戦士
時の戦士 6
アレンはきつくて辛い坂を登っていた。
ドミトリーの案内する山奥を突き進んで…。
「きついぞ!ドミトリー…休もうよ。」
汗をだらだらと流しながらドミトリーに文句をだらだらというアレン。
ドミトリーはうざったそうに
「はいはい。あそこに泉があるからそこで水を飲めば?オレはその泉で昼寝を一時間する。」
もう走っていて、疲れきったアレンには辛い仕打ちだった。
じめりとした木立の中に泉はあった。
ドミトリーはもう寝ていた。
「寝顔もかっけえんだな…。」
喉の渇きを癒すために水をごっくんごっくんと飲む。
飲んだあとに出来た水の波紋を眺める。
その波紋から女性が出てきた。
白いシンプルなドレスを着ていて、シルバーの髪をした女性だ。
額にはネックレスみたいなのがかけてあった。
厳しい表情でこういった。
「…また破滅を運ぶ道を外れた旅人が来ましたか。あなたもあのジェラルドと同じか?」
「あ…ああ…ジェラルドを助けに来たんだ。」
もっと顔を厳しくしかめて
「なら立ち去れ。」
アレンはどうしたらいいかわからなかった。
「何故立ち去らなければならない?」
「…あなたはこの泉を枯らそうとするから。」
「枯らそうとはしてない。」
「そうですか…。すまない。私はララミー。この泉の精霊王だ。」
若そうに見えるこの女性が精霊王?
俺が泉を枯らそうとする?そう見えるのか?
「お詫びにあなたにこのウォータールカを授けます。」
ララミーは額からネックレスを外してアレンに渡した。
アレンに触れられたララミーの手はひんやりと水のように冷たかった。
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