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時の戦士
時の戦士 10













冷たい静寂な闇が広がる淡い水色の世界…





長い間いると、自分の無力さに嘆いてしまう。

ドミトリーはどこだろう?


またジェリーみたいに彼を死なせてしまったのだろうか…
無限の闇が広がる、未知の淡い水色の世界に一筋の光を合間見た。








明るい白と黄色が混じったような光だった。

アレンはその光に近寄っていった。
すると…今まで光だと思っていたが、それは塔だった。



ぎいぃと耳障りな音をたてて、大きなドアが開いていった。
中から黒い物体らしきものが出てきた。


































ぼんやりと黒い物に見えるものは急スピードでこっちに向かってきているのか、だんだんとその姿を現した。



黒い影から黒い魚みたいなもの、だんだんと丸くなっていき、ようやく形がはっきりしてきた。




その姿を見たアレンはそう思った。










“ラ…ララミー?いや、ララミーにしては暗い。それに、目が血走っていて怖いぐらいだ。”





アレンに1つの仮説が浮かび上がった。




それと、黒いものが手を広げてアレンに襲いかかるのは同時だった。









“こ…これは…ナナリー”



そこからの記憶が消えた。

黒い物体がアレンを白と黄色が混じったような塔に連れていったのだ。
















固い。すべすべしてるけど、ひんやりと伝わるこの冷たさはなんだ?大理石か?




すうっとした冷気が伝わってきた。わずかに、風を感じる。誰か人が入ってきたのだろうか?






清らかなほどよい高さの声が聞こえてきた。


「アレンか?私はナナリーだ。全く…久しぶりにララミーから水流手紙を貰ったものだから…何かあったのかと思った。
それがお前とはな。期待外れもはなはだしい。」


そういうと、ナナリーはふっと人を見下したような顔をして、椅子に座った。


俺は…大理石の床に手を縛られて座り込んでいた。


よくよく見てみると…大理石の床にところどころ赤いシミがある。


まさか…

アレンは嫌そうに顔を歪めてナナリーを睨み付けた。

ナナリーはさも涼しそうな顔をして、椅子に座っていた。



「そうだ。赤いシミとは、血の事だ。この部屋は拷問部屋でな。鞭を打たれ…苦痛に歪む顔を見るのが面白い。あーはっはっはは!ついこないだも獲物を捕まえたしな。」

そう言うと、ナナリーはアレンの後ろを指差した。
細長い指で人差し指に指輪がある。


後ろを恐る恐るみてみると…











血まみれになり、鎖に繋がれていた男性がいた。

ドミトリーか?


いや…違う。旅人の服。綺麗な青い刺繍にきらめく宝石。











ジェラルドだった。









「ナナリー!お前は…ジェラルドを…!」


「そうだが…?それが何か?」

そう言うとナナリーはにいっと笑った。

切れ長の二重に白い肌。普通にしていれば美人だ。


だが…こういう奴とは。

「ドミトリーは?」


ナナリーはリズミカルに体を動かしていた。

が、ドミトリーと聞いた途端、ぴしっと立った。くるっと、アレンの方へつかつかと歩いてきた。顔が鬼神のごとく、どす黒いオーラをただよわせて睨んでいた。







「あの男は…!」

「いるのか!?ドミトリーが?どこだぁ!」


「…そこのドアを開けてみろ。」






ドアを指差したナナリー。

指差した先にあったドアは…木の古ぼけたドアだった。













続く









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あきゅろす。
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